長野では、あじまめ農園の赤堀さんのところにも伺いました。いつもゴマやモチキビ、モチアワ、タカキビなどの細かい雑穀類を送ってくださいます。お豆も10種類くらい作っています。
まずはご自宅で冷えたお茶と紫花豆をいただきながら康子さんにお話をお聞きしました。この紫花豆はすごく大きく立派で、皮も柔らかくふわふわに炊かれていて、訪問したメンバーは思わず身を乗り出して作り方を教えてもらいました。ほんのり甘く炊いたお豆がこんなに美味しいとは!
赤堀さんご夫婦は定年退職してから、10年前に金沢からこの地に移住してこられました。その頃はまだこの周辺にも雑穀を作っている方がいて、その方たちから雑穀のタネを譲ってもらいました。今はもう雑穀を作っている方はだいぶ少なくなったそうです。もともとご飯に雑穀を入れて食べていたのですが、雑穀は外国産が多かったり、有機栽培のものが手に入りにくかったりということもあって、自分たちで作るようになりました。
雑穀は栽培するだけでなく、収穫してからも大変です。収穫したら束にしてハザにかけて干します。乾いたらハーベスター(脱穀機)で実を取り、唐箕(とうみ)にかけて風で殻やゴミを飛ばします。そして近くの会社で精穀をしてもらいます。小さな粒のアワ・キビ用の機械と、タカキビ用の機械でそれぞれ殻を磨いてもらいます。それをさらにふるったりしてゴミを取り、ぬかもとって、最後に変色している粒などをピッキングします。簡単にピッキングと書いていますが、モチアワやモチキビはとても細かいので、ピンセットを使いながら自分の目で見ながら黒っぽくなった粒などを取り除きます。何キロもある雑穀のこういった作業は考えるだけでも気が遠くなります。
家の近くにもゴマや大豆などを栽培する畑があるのですが、メインの畑までは車で20分くらい走ります。どんどん坂道を上り、標高900mの畑に辿り着いた時はもう山の上という気分。この日は雨が降りそうな天気だったので北アルプスは見えませんでしたが、雲の動きがよく見えました。この地域が味大豆(あじまめ)という地名でした。美味しいお豆ができるところだったのですね。
朝から夫の清豪さんは畑で作業をしていました。ご自身たちで建てられた小屋の周りには収穫まであと少しの穂の出ている雑穀が整然と茂っていました。美しい! 草取りを丁寧にされているのがわかる、とても気持ちのよい畑。あじまめ農園さんは化学肥料や農薬は使わず、自ら堆肥をもみ殻や米ぬかなどを発酵させて、何回も切り返して作っています。とても手間のかかる作業です。70歳代とは思えない手間隙かけた作業を黙々とこなしていました。
この日に見せていただいた雑穀類はだいたい9月に収穫されるとのこと。もうすぐですね。それからあの大変な調整を経て、すみれやにも送ってもらいます。雑穀は美味しいだけでなく、栄養価も高い優れもの。今では国産の安心していただける雑穀やお豆は貴重です。特に日本で販売されているゴマの99.9%が輸入品だそう。
赤堀さんご夫婦には、これからもお元気で貴重な雑穀やお豆を作っていただきたいなぁと思いながら畑を後にしました。(春山)
〜スタッフまきより〜
味大豆(あじまめ)という地域はアルプスが見渡せる気持ちの良い場所でした。そしてあじまめさんの畑はいつも見守られていると言った風なキレイな畑でした。定年後に移住されて畑を始められたこと、お2人ともいきいきされてること、肌で感銘を受けました。
この地域の在来の豆をお裾分けしてきました。一つは「こうじいらず」という大豆で味噌作りの際に麹がいらないほど甘いのだそうです。もう一つは「雷鳥」。これはあじまめさん命名です。絶妙なネーミングだと思いました。この豆もおいしいから育ててるとおっしゃっていました。
種ボックスに入れておきます。育てたい方はもらっていってください。