大苗愛作品展 vol.2
暮らしの中の布 〜仕切る〜

大津で糸を紡ぎ、草木染めをして、機織りをしている大苗さんの作品を展示販売します。アクセサリーやがま口をはじめ、反物まで、ゆっくりとご覧になってください。

日時:2020年7月24日(金)〜26日(日) 11:00〜17:00
場所:すみれや 2階

全日程作家は在廊予定です。

【大苗愛経歴】
茨城県つくば市で育ち、小さな頃からあやとり、折り紙、紐作り、スケッチなど手先を使った遊びが好きで、どうしても職人仕事に興味を持つ子供でした。憧れをいだく先人達の回顧録などを読んでいると15の歳から修行に入る方が多く、自分も15の歳から何か始めたいと思い、着物文化にも興味を持っていた私が選んだものが糸紡ぎでした。運よく高校の先生からご友人・志水美実氏を紹介いただき高校2年次に1年間をかけて取り組む自由課題の研究テーマも「染織に関する文献を読み自らも染・織の技術を習得する~日本の伝統技術を考える~」と設定し、木綿の糸紡ぎ、草木を用いた染色、原始機での織りの手ほどきを受けることができました。研究に取り組む中で染織を仕事にする大人達に出会い、少しずつ知識や技術が深まっては新たに興味も広がっていく日々でした。

大学に進学し、京都に移ってからは、星野利枝氏より主にグアテマラの原始機の技法を学んでおります。学部での専攻は国文学で、特に上代文学の『万葉集』の万葉仮名の用法について研究しました。

卒業が近づき自らの進路を考えているときに、染織に対する興味はずっと継続されていることに気付き、もう少し学びを深めたいと思い、島根県安来市にあります「出雲織」にて、青戸柚美江先生・青戸秀則先生に2年間研修生としてお世話になり、主に弓浜地域の木綿経緯絣の技法を学びました。また、柚美江先生からは織りのことのみならず、麹をおこすところからの味噌づくり、子供用甚平や袖無しなど家族のためのお裁縫の手ほどきを受け、和綿を栽培したり野菜を育てたりと土が身近にある暮らしを少しかじり、実践する機会を得ました。

2016年6月に京都に戻り、北区紫野の地に住居兼工房を構えておりましたが、昨年の春から滋賀県大津市途中町の古民家に縁をいただき暮らしと制作の拠点を移しました。

身近に田園風景が広がる茨城県で生まれ育ったためか、土があることで得られる安心感は大きく、土と共にある暮らしを志してきましたが、新しい拠点でまた少し夢に近づいたことを嬉しく思っています。土の上で育った綿花を紡ぎ、身近な草木を使って色を染め、布を織り、暮らしの中で使いこんで最後はぼろになりまた土にかえる、そんな、土から生まれ土にかえる布づくりを志し、私の先を進む沢山の方々から教えをいただきながら、日々技術の研鑚に励みたいと思います。